法務ベース3における人物・団体の扱い

このページの記事:参加人とその関係人 参加人の種類 関係人の種類 重複登録の排除 利害関係の調査
 参加人・関係人の複式登録 特別マーク スタッフの個人情報


 参加人とその関係人 

 「法務ベース3」では法務手続きに参観する人を「参加人」、その参加人の家族や友人、勤め先の会社などを「関係人」と名付けています。
 データ上、関係人は参加人に従属する形で記録されるので、参加人と同じ画面で入力し、同じパッドに表示されます。下の図は家族を関係人として登録し表示したものです。

 ここで設定された関係人は、この案件に限定されたものです。他の案件で「佐藤一郎」を参加人登録しても、自動的に上記の関係人が従属登録されるわけではありません。これは、案件に無関係な者まで登録して情報がいたずらに複雑化するのを防ぐためです。

 参加人の種類 

 参加人には、次の分類が用意されていますが、その名称や、その他の分類についてカスタマイズ(プログラムの修正)が可能です。ただし、既に使われている分類の削除は難しくなります。
 これらの分類は、一人に一つではなく、重複して指定することができます。ただし、矛盾した設定、たとえば依頼人であると同時に相手方であるような設定はできません。

 依頼人
 法律関係の相談者、法務手続き、交渉ごとなどの依頼人で、経営的にいうと顧客です。
 相手方
 交渉や調停、裁判の相手です。
 相手方代理人
 相手方が依頼した代理人で、通常、弁護士です。
 裁判官 調停人 仲裁人
 相手方との間に立って判断や仲介をする者です。
 申立人 請求人
 法的手続きの開始や権利・義務の発生を手続きに従って主張した人です。
 利害関係人
 依頼人と相手方との法的手続きに、何らかの利害関係を持っている人です。
 保険会社
 交通事故案件などの保険会社です。
 債権者
 依頼人に対して債権を持っている者です。
 債務者
 依頼人に債務を負っている者です。
 証人
 法的手続きで証人として証言する者、あるいは提出される書面の内容を陳述した者です。
 代理人
 相手方代理人以外の、誰かの代理人です。必ず、関係人として本人を設定してください。
 その他
 いずれの分類にも当てはまらないが、記録しておく必要のある人です。

 関係人の種類 

 関係人には、次の分類が用意されていますが、その名称や、その他の分類についてカスタマイズ(プログラムの修正)が可能です。ただし、既に使われている分類の削除は難しくなります。
 参加人同様、一人に複数の設定が可能です。

 本人
 参加人が代理人のときの代理される本人です。
 勤務先 所属先
 参加人の勤務先や所属する法人・団体です。弁護士が運営する法律事務所も、この分類です。
 事務員 従業員 所属員
 参加人が法人・団体ないし雇用主であるときの従属的地位にある者です。必ずしも正規社員である必要はありません。
 代表者 理事 役員
 参加人が法人・団体であるとき、その指導的立場にある者や、代表的立場にあるものです。
 関連会社団体
 参加人の親会社・子会社ないし系列会社、あるいは上部組織や下部組織などです。
 取引先
 参加人と営業上の契約関係にある者です。
 医療介護福祉関係者
 参加人の主治医や看護士、ケアマネージャーなどです。これらを区別する場合は、それぞれの肩書き欄に地位を明記してください。
 居所 立寄先
 一時的に居住している療養所、介護施設、病院、あるいは宿泊所などです。
 親族
 参加人と親族関係にある者です。配偶者や子であることの記録は、法定相続の設定に依存します。
 同居
 参加人と同居している者です。
 友人 知人
 参加人の有事や知人で、手続きを進める上で何らかの話をする必要がある人です。
 手続き関係者
 法的手続きに関わる補助者、保佐人、監督者などです。これらを区別する場合は、案件備考欄に明記してください。
 社会的支援監督関係者
 民生委員、保護司、保護監察官などです。これらを区別する場合は、それぞれの肩書き欄に明記してください。
 紹介者
 参加人を当事務所へ紹介した者です。マーケティング情報として記録します。
 その他
 以上のいずれの分類にも当てはまらない者です。

 重複登録の排除 

 データベースでは同じデータを重複して登録することを嫌います。無駄である上に、データに矛盾が生じるからです。
 データの矛盾とは、同一人物でありながら異なる住所や異なる電話番号などが登録されている状態です。いずれが本当なのか分からない上に、同姓同名の別人なのかどうかも判定できなくなります。
 この状態を防ぐために「法務ベース3」では人名(団体名)がカタカナで入力されたときに、直ぐに同じカナを含んだデータを調べ、もし該当するデータがあればてリストに表示して確認してから登録するようになっています。
 下の図は「ヤマノ」とだけ入力された状態で調査した結果を表示しています。この画面では、同時に利害関係も調査できるようになっています。既登録のの人物として登録するか、まったく新しい同姓同名の人物として登録するか、下部のボタンで選ぶようになっています。

 利害関係の調査 

 法律事務所では利益相反する人物から依頼を受けることができませんが、複数の弁護士が所属している事務所では、連絡のミスから依頼を受けてしまう場合があり得ます。事務所が分散している場合は、この可能性が更に高まります。
 「法務ベース3」では、人物・団体の登録時に、これを確認できますが、更に登録した後でも確認することができます。下の図は、ある案件に登録された人物の利害関係を調べようとしているところです。

 調査の結果は下のように表示されます。この例では複数の案件で相手方となっていることが判明しました。支部が複数ある法律事務所でも手間をかけることなく利益相反依頼を防ぐことができます。

 主画面から人物・団体の利害関係チェック
 利害官益のチェックは主画面からも行うことができます。「人物・団体」メニューの「人物・団体の利害関係チェック」を選んで調査用の画面を開きます。

 フリガナ枠に目的の名称の一部をカタカナまたはひらがなで入れて[Enter]キーを打つと、該当する名前がリストアップされます。矢印キーで目的の人物・団体を選び、そのまま[Enter]キーを打つと下に参加履歴が表示されます。この例では依頼人としての記録しかありません。
 続けて別の人物・団体を調査したい場合は、再びフリガナ枠に、その名称を入れて同じ操作をしてください。終了したら「戻る」ボタンをクリックするか[Esc]キーを打って元の画面に戻ります。

 関係人・参加人の複式登録 

 離婚や相続などの案件では依頼人の家族が相手方になる場合があります。このような場合、依頼人の関係人として家族を登録しただけでは誰が相手方なのか不明になってしまいます。相手方としても家族を登録しなければなりません。これを複式登録と呼んでいます。
 手間が二重になって面倒なような気がしますが、いずれかで登録してあれば二重登録防止の機能によって前の登録が呼び出されますから、クリック一つで済みます。なお、二重登録排除についてはこちらを参照してください。
 また、以前に家族を登録してあれば、人物・団体登録の画面で関係人検索機能を利用して、家族を一括登録することができます。

 過去に登録したあらゆる関係人が表示されるので、必要な人物・団体だけにチェックを入れて登録できます。
 なお、既に同じ案件で同じ参加人の関係人として登録されている人物・団体はリストにあがりません。また、候補となる関係人が見つからなかった場合は、その旨を知らせる画面が表示され「OK」をクリックすると直ぐに元の画面に戻ります。

 特別マーク 

 人物・団体には次のような特別のマークを付けることができます。
 ① 顧問先:顧問契約をしていることを示すマーク
 ② 応対注意:電話などに過敏に反応するなど、常識的な応対が通用しないことを示すマーク
 ③ 家族に内緒:電話や郵便で法務相談をしている旨を家族に悟られないよう注意すべきマーク
 これらの設定は、入力画面でチェックを入れるだけです。

 マークは閉じられたパッドでも分かるようになっていますが、顧問先と応対注意が同時に設定された場合は応対注意が優先表示されます。下の図は全てのマークを付けた場合の例です。家族に内緒マークが付いたときは、タイトル全体が茶色の文字になります。

 各種案件リストでも、これらのマークはアピールされます。
 スケジュールリストでは次のように表示されます。
 顧問先がマークされている場合は次のような表示になります。顧問先のマークが表題に表示されるほか、名称表示が緑色になります。
 さらに各種案件リストで表示されるときも依頼人が顧問先であることが表示されます。
 スケジュールリストでは次のように表示されます。

 スタッフの個人情報 

 事務所スタッフが参加人ないし関係人になることもあります。そのとき、他の依頼人などと同じ扱いにすると、スタッフの個人情報が事務所内で漏出してしまいます。
 法務ベース3では、そのような事態を避けるために、スタッフの個人情報は通常のパッドや入力画面に表示されないようになっています。下の図はスタッフが申立人になった場合ですが、住所や電話番号は表示されません。

 また、編集画面を表示しても編集できないようになっています。

 スタッフの個人情報はスタッフ管理権限のあるユーザーでなければ参照・編集できません。スタッフ管理権限は、所長権限に付属するほか、所長から委譲されたユーザーのみが持っています。権限委譲についてはこちらを参照してください。